AA式 ゆっくり走りのすすめ
AA式 ゆっくり走りのすすめ
Anatomical Activity(AA) 理論とは、人間の解剖学的「身体構造」から見た必然的姿勢・動作の研究、またそれらに体現するトレーニング方法を追及した理論です。AA研究会は中村考宏(愛知県 えにし治療院院長/AAスポーツトレーナー)が主宰し、東京でも毎月セミナーを開いています。受講生は、スポーツ選手、ダンサー、武術家、音楽家、ヨガ等インストラクター、俳優、医師、身体の不調を訴える一般の方・・・と多岐にわたります。
私共のDance Dynamics(DD)と、立ち方、足の使い方等に共通点が多いことから、身体の研究をしている専門家による理論的な裏付けであると考えて勉強させて頂いています。
<<AA理論の主な研究テーマ>>
- 骨盤おこしポジション
- 骨盤おこし運動
- 連動伸張反射(in-sync stretch reflex)
- 立つ、歩く、走る基本動作
- 各種動作(専門分野による)
このセミナーの中で、特にスポーツ選手向けのトレーニングの1つとして紹介されたのが、ゆっくり走りです。
「ゆっくり走る」
正しい姿勢と足の使い方に気をつけて、ゆっくり走ってみましょう。
背中が緩み、脚の余分な力が抜けて、股関節が動きやすくなることを確認して下さい。
ウェイト(重力)による運動を感じながら、「沈むと浮く」「弾む」などの感覚を楽しめるようになると、ダンスのトレーニングとして最適です。
次の5項目の注意点について、自分の身体を確認しながら、とにかくゆっくり走る。ゆっくり!*60メートルを120歩で1分ペース、歩いている人にどんどん追い越されるぐらいに。
①骨盤をおこして胸を出した体幹部をキープする。
「骨盤をおこす」とは後傾している骨盤を立たせる、或いは前傾させることです。
骨盤を後ろに傾けた骨盤後傾では「坐骨結節」が下を向き(写真1)、重心が後ろに残っているため、体を動かす為には多くの筋肉の力が必要です。関節運動を妨げ、動きにブレーキがかかり、地面をける運動方法となります。従って筋力が疲労しやすく故障しやすくなります。
骨盤をおこした骨盤立位では「坐骨結節」は真後ろを向き(写真2)、太ももの前面(大腿四頭筋)はゆるんでいます。この状態では股関節が動きやすく、ウェイトを使う運動方法が可能なので運動効率がよくなり、疲労しにくいのです。
骨盤を右横から見た参考図
(写真左・・・骨盤後傾)(写真右・・・骨盤が正しくおきている)
おこした骨盤の上に上半身を立たせる時、注意することは、腰で反らないことです。腰で反らないように腹圧をかけ、胸骨の柔らかさを利用して、頭と胸部を斜め前方に引き上げるようにします。腰や首の骨を曲げる事で、胸骨の動きの不足を補ってしまう傾向があります。従って胸骨が柔らかくするようにトレーニングする必要があります。
*背中の方に丸め、鎖骨の中心が斜め上方に向くよう胸を出す動作を繰り返す。
*肩甲骨を引き寄せて胸を張らないように注意が必要。
②頭は首にしわが寄らない位置をキープする。
①の骨盤を起こした状態を横から見て、頭のラインと背骨のラインが真っすぐに、首の付け根でくの字におれないようにします。
③腕は力こぶを正面に向けて前腕は肘の関節から回内させておく。
腕は鎖骨(胸鎖関節)から揺れて肩甲骨が踊りだすように、リズムよく♪
腕や肩の力を抜く為に、腕の位置は力こぶが正面を向くようにし、肘の外側の関節から肘から先を内側に向けます。(腕に力を入れない為に、脇を開かないように、また無理に閉じようとしめないこと。)鎖骨や肩甲骨から腕の動きの連動が可能となってきます。
④股関節幅に立ち、つま先はやや外側を向き、膝は遊ばせておく。膝の向きは足指の薬指方向にあわせる。
股関節のつき方に対して自然な立ち方。
特に膝の向きが内側にならないように注意します。
⑤着地は「土踏まず」を踏まない。フラット接地を心がける。足裏は背屈。
「土踏まずを踏まない」とは文字通り土踏まずを踏まない。つまり、土踏まずに体重をかけて足底アーチを崩さない。土踏まず側の内側加重は膝が内に入り膝関節の故障の原因にもなるし、股関節を外に回転させたい時にブレーキとなり、股関節の動きを制限してしまいます。(脚は第二の心臓ともいわれるが、土踏まずを踏んで足底動静脈・後脛骨動静脈を圧迫し血流を阻害してしまっては心臓に負担がかかり健康に悪い。)
「フラット接地」とは、母趾を除く4趾のMP関節接地のことをいいます。重心はここにかかっています。
「足関節背屈」は、脛の筋肉の収縮力を使い、床を蹴らないで走るために重要です。
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AA式 ゆっくり走り 体験記
「私達も実践しています!」
プロ競技ダンサー 田中一世 葛岡エミ練習前や試合前のウォーミングアップとして10分間、必ず走っています。
走っている最中は骨盤の向きはもちろん、足関節の背屈、着地する際の足指の接地の仕方、腕の向き、頭の位置、腹圧の確認など、常に自分の身体に注意を払って行うのでとても集中できます。
走り終わってみると、脚の力が抜け、身体が「ふわふわ」と軽くなっている。
この感覚だと脚や腕に余計な力が入らず、最初から軽々と踊ることができます。また同じ練習量でも以前と違って疲れにくくなりました。試合当日の練習時間はフロアが込み合い、組んで踊る練習はなかなか難しいものです。限られたスペースと時間内でいろいろ確認しようと気持ちばかりが焦ってしまい、しかし身体は思い通りに動いてくれず、ああでもないこうでもないと試行錯誤している内にトラブルに・・そんなカップルを度々目にします。
私達は通路や会場の隅で走っています。歩くよりも「ゆっくり走って」いるのでそれはもう自分達だけの別世界です(笑)。ゆっくり走りで身体が動く準備が出来ているので、気持ちにも余裕が生まれます。ダンスにおいて心と身体の準備は必要不可欠です。
ゆっくり走りはその二つを繋ぐ一助となってくれます。本物のダンスを求めて、今日もゆっくり走っています。
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□構造動作(アナトミカル・アクティビティ)トレーニングセミナー日程
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