●骨盤おこし式ゆっくり走り
股関節からの上体の屈曲が大事であることの本質は、もちろん骨盤の前傾にある。
それは十分承知しているつもりだったが、骨盤がおきたポジションを確認したときの上体の傾き(もちろん個人差がある)を考えれば、ゆっくり走り時に上体がかなり前傾した走りになる人が多くても当然であった。
わたしを含めて多くの人が骨盤を後傾したフォームで走っているということだ。
股関節から上体を前傾させた(本当は骨盤を前傾させた)フォームは、一見へっぴり腰のようだ。
何人ものへっぴり腰の人を、「いいですねえ」とえにし先生が誉めるのを聞いた。
このフォームは股関節から「く」の字ということである。へっぴり腰ではないのであった。
この姿勢で膝を深く折り畳んでみると、武術研究家の甲野善紀先生が、技に入るときによくする姿勢である。剣術の下段構え以外で、はじめからこの姿勢になることは希だが、動きの中ではよく現れる。
いわゆる腰を落とした姿勢だが、甲野先生のは足幅が腰幅ほどで狭いので、腰掛けるような姿勢になる。
それでもこの姿勢で走っているのは妙なものだ。これは骨盤おこしセミナーで最初に骨盤がおきたポジションを指導されたとき、ほとんどのひとが深いお辞儀になってしまうのと同様の「妙」さである。
これは「胸割り」によって胸が上がってくることで、直立する方向になるのだが、この「胸が上がってくる」というのがわかりにくいようだ。
そこでおなじみの動画を見ていただきたい。
ここで注目するのは、えにし先生の胸の向きである。股割りをして腹が完全に床についているのに、胸と顔が前を向いている。つまり腰椎が反っているのではなく、胸椎が反っている(実際には胸椎の湾曲がなだらかになっている)わけだ。
このように胸が割れてくれば、「く」の字の股関節でも上体が起立してくるということである。
これが「胸割り運動」の目的なのだ。
しかし、これってハイハイする赤ちゃんの胸だなあ。誰でもみんなこういう柔らかい胸をしていたはずってことだね。
【写真】よそ様のお子様たち。
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